編集、デザイン、写真、メディア運営……クリエイティブの視点からコンテンツを提供する スタジオダンク


はじめてでも失敗しない味噌の作り方 第2回(全2回)

2019年7月26日
生活実用
栗田 さつき

10年前、初めて自分の手で味噌を仕込み、一年後にそれを味わったときの驚きは今でも忘れられません。
大豆の風味が際立った品の良い味わい、いっぺんに手作り味噌の虜になりました。

味噌を作るきっかけは「365日手づくりのみそ汁とスープ」(泉書房刊)の編集制作で、フードコーディネーターのしらいしやすこさんと写真家の原田真理さんに出会ったこと。

味噌汁の本を作ったのだから、味噌を自分たちで作ってみようか。誰が言い出したか覚えていないけれど、間髪入れず「やりたーい!」。全員一致で、勢い味噌づくりがスタートしました。

<第2回 カビのお手入れと天地返し>
目次
4.梅雨の時期のお手入れ
5.天地返しのしかた
6.夏の味噌汁のすすめ

仕込み編はコチラ→第1回 味噌を仕込む

4.梅雨の時期のお手入れ

♦梅雨に入ったらカビのチェックは怠りなく!

味噌を仕込んだらあとは味噌の熟成をじっくり待つだけですが、待っている間に気をつけたいのが梅雨の時期のカビ。湿度が高いこの時期はカビが生えやすくなります。1〜2週間に一度は容器の中をのぞき、カビが生えていないかチェックしましょう。

もしカビが発生していたら、カビの部分をスプーン(焼酎で消毒したもの)で厚めにすくって取り除きます。そのあと味噌の表面に軽く塩を振り、容器の内側をホワイトリカーなど焼酎で拭いて除菌します。嬉しいことに私の味噌には今日までカビが生えませんでした。

<保存容器が変わりました>
4/15の第1回に続き今回は第2回ですが、
前回の写真の容器と今回の容器が違っています。
なぜなら第1回目のときは、4か月後の天地返し(第2回)のことを考えず、味噌作りの仲間の一人の容器で撮影してしまいました。

これが3月に仕込んだ味噌と容器。仕込んでから4か月もたつと白っぽかった味噌が茶色く変化しています。

そしてこれが、私が仕込んだ味噌です(2019年7月25日現在の状態)。

5.天地返しのしかた
♦味噌は仕込んでから3〜4か月後に天地返しをします

天地返しは、味噌を万遍なく空気に触れさせて発酵を促すために行います。
3月に味噌を仕込みましたので、天地返しは梅雨明けぐらいを考えていましたが、今年はグズグズとした長梅雨で、いよいよ待ちきれずに7月25日に行うことにしました。

① 味噌の端は空気に触れたため、少し黒くなっています。

また味噌から染み出した液体(醤油のようなもの)は「たまり」といい、味噌と一緒に混ぜ込みます。

② 消毒したしゃもじを使って、上下をひっくり返すようにかき混ぜます。

③手のひらで押して空気を抜きながら表面を平らにし、容器の内側はアルコールで拭いて消毒します。

④味噌の表面にラップを貼り付けるようにかぶせ、空気に触れないようにします。

♦味噌が多いときの天地返しの方法

「味噌の量が多い場合」の天地返しは、まず味噌玉に丸めて容器から取り出します。

全て丸めて取り出したら容器を消毒し、はじめに丸めた味噌玉から容器に戻し空気を抜きながら表面を平らに整え、ラップをかぶせます。

⑤ 重石を軽くして味噌にのせ、蓋をして冷暗所で保存します。
⑥ 味噌は仕込んでから半年後くらいには食べられますが、まずは熟成具合を試食してみましょう。ちょっぴり舐めてみて「美味しい」と思ったら食べごろです。重石をはずして冷蔵庫で保存すれば、熟成が抑えられて美味しさをキープできます。

6.夏の味噌汁のすすめ
♦夏野菜の味噌汁で夏バテ防止!

今年はいつもより梅雨明けが遅れ(7/26現在)、本格的な夏の暑さはこれからですが、夏を元気に過ごすために私が毎日実践しているのが味噌汁を飲むこと。

特にこの時期に栄養価が高い旬野菜を具に加え、たっぷり栄養補給して体の調子を整えます。

私が味噌を作るきっかけにもなった本「365日手づくりのみそ汁とスープ」から、これからの時期におすすめの味噌汁を紹介しましょう。

<夏の味噌汁1>「アスパラガスの味噌汁」
アスパラに含まれるアスパラギン酸は、疲労回復や体力増強に効果を発揮します。
作り方

①アスパラガスは根元1cmくらいを切り落とし、ピーラーで根元の皮をむき3cm長さに切る。

②鍋にだしを入れて煮立て、①のアスパラガスを加えて火を通す。

③火を弱めて味噌を溶き入れる。

 

<夏の味噌汁2>「オクラとコーンの味噌汁」

オクラのネバネバが消化を助けて胃腸を整え、また便秘や夏バテ防止にも効果があります。

作り方

①オクラは塩でこすって産毛を取り、水洗いする。水気を切って輪切りにする。

②鍋にだしを入れて火にかけ、煮立ったらオクラとコーン(水煮缶)を入れる。

③火を弱めて味噌を溶き入れる。

 

<夏の味噌汁3>「ゴーヤと玉ねぎの味噌汁」

栄養価が高いゴーヤには、ビタミンCやカリウム、マグネシウムなどがバランスよく含まれています。

作り方

①ゴーヤは輪切りにしてワタをとる。玉ねぎは薄切りにする。

②鍋にだしを入れて火にかけ、煮立ったらゴーヤと玉ねぎを入れる。

③再び煮立ったところで火を弱め、味噌を溶き入れる。

 

<夏の味噌汁4>「トマトと万能ネギの味噌汁」

トマトに含まれるリコピンは、がん予防や動脈硬化の予防に効果があるといわれます。

作り方

①トマトはヘタをとってざく切りに、万能ネギは小口切りにする。

②鍋にだしを入れて火にかけ、煮立ったらトマトを入れる。

③火を弱めて味噌を溶き入れ、椀に盛り万能ネギを添える。

 

<夏の味噌汁5>「きゅうりと青じその冷汁」

青じその爽やかな香りが食欲をそそります。強い防腐作用もあります。

作り方

①煮干しの頭とワタを取り、ミキサーで粉末状にする(手軽に作りたいときはいりこだしを使用)。

②きゅうりは薄切り、青じそは千切り、梅干しは包丁で叩いてペースト状にする。

③粉末にした煮干しと味噌、ペースト状にした梅干しを混ぜ合わせ、だしを 少しずつ加えて伸ばすように溶かす。

④③にきゅうりと青じそを加え、器に盛ってごまを振る。

 

栄養いっぱいの夏野菜の味噌汁、ぜひお試しあれ。

 

(レシピ協力:しらいしやすこ、写真協力:原田真理)

栗田 さつき
編集一筋、だいたい30年(微妙なお年頃なので)。楽しい情報をいっぱいお届けします。