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作ってみたら意外にカンタン。楽しく作って美味しくいただく!はじめてでも失敗しない味噌の作り方を紹介します

2019年4月15日
生活実用
栗田 さつき

<第1回 味噌を仕込む>(全2回)

1年に1回、味噌を作っています。味噌作りのメンバーは、フードコーディネーター、カメラマン、デザイナー、ライター、編集者など本づくりを仕事としている仲間たちです。この仲間と味噌を作り続けて10年、美味しいものとお酒が好きな人が揃いも揃って、味噌仕込みの後の宴会も楽しみな恒例行事となりました。今年(2019年)は3月21日の春分の日、例年より半月遅い味噌仕込みでした。

仕込みが終わって、各人が用意した保存容器に入れたところ。1年後が楽しみです。

味噌を仕込む前に、前年の味噌の出来栄えをチェックします。みんなで仕込んだ味噌をそれぞれが持ち帰って育て、1年後のこの日に、誰の味噌が一番美味しいかを選びます。不思議なことに味噌の出来上がり(色、味)は一人ひとり違います。保存場所やお手入れ、あるいはその年の気候によって差が出るのです。

「手前味噌」とはよくいったもので、誰もが「私の味噌が一番!」と、この時ばかりは譲りません。

はじめてでも失敗しない味噌の作り方

「目次」
⒈味噌の材料と分量
⒉味噌作りに必要な道具

⒊味噌仕込みのプロセス

⒈ 味噌の材料と分量

味噌の材料はたったこれだけです

・大豆(乾燥)
・米麹 (乾燥)

・塩(粗塩)

<大豆について>

大豆は北海道産を使用しています。北海道産といっても特別なものではなくスーパーなどで手軽に購入でき、値段は250〜300g入り300円くらい。大粒なものを選びます。

<麹について>

米麹を使います。生麹と乾燥麹がありますが、保存や扱いがラクな乾燥タイプで、私たちはいつも「みやここうじ」を使っています。

<塩について>

いわゆる粗塩(自然塩)を使います。塩の種類はたくさんありますが、あまり高価な塩でなくても大丈夫です。

作りやすい分量を紹介します

・大豆(乾燥)1kg
・米麹(乾燥)1 kg

・塩     400g

この分量で作った場合は、最終的に約4kgの味噌ができます。

大豆は水で戻して茹でると約2.5倍に増え、大豆1kgが約2.5kgになります。大豆約2.5kgに麹1kg、さらに塩400gを加えると合計約3.9kgの味噌が出来上がるというわけです。

塩の分量は大豆+麹の重量の20%を基本にします

大豆の分量:麹の分量=1:1

塩の分量=(大豆g+麹g)×20%

大豆1kg(1000g)、麹1kg(1000g)なら、

塩の分量は (1000g+1000g)×20%=400gとなります。

味噌づくりに慣れてきたら、分量の割合を変えて好みの味噌に仕上げましょう

味噌の味は一般に関東は辛め、関西は甘めが好まれます。

大豆と麹を1:1ではなく、麹を大豆より少し多くした場合は甘い味噌ができ、反対に大豆を多くした場合はコクのある味噌になります。

また、塩の量を増やすなど好みの辛さに仕上げるのもOKですが、減塩のしすぎには注意を。カビが発生しやすくなります。私たちがこれまで味噌を作ってきた経験から、今回紹介している20%の塩の量がぎりぎりではないかと思います。

出来上がり量に対する材料の配合を表にまとめました。参考にしてください

2.味噌づくりに必要な道具

・鍋(大豆を煮るため、できるだけ大きい鍋)
・すりこ木(大豆を潰すための道具はフードプロセッサー、ジッパー付き保存袋など、家にあるもので工夫しましょう)
・ボール
・ホウロウ容器(保存用)

・ラップ、新聞紙、重石、消毒用アルコール

味噌仕込みでは大豆を潰す作業が一番大変です。すりこ木とボール、フードプロセッサーを使って大豆をすり潰します。

すりこ木にはすり鉢の組み合わせが一般的ですが、人数が多いので大きいボールを数個用意してすり鉢の代わりにしています。

今年は、ジッパー付き保存袋でも潰せるという情報を入手しましたので、早速試してみました。保存袋に大豆を入れて手のひらで押して潰します。

これが意外に楽ちん。大豆が熱いうちは柔らかいので、簡単に潰れます。

3.味噌仕込みのプロセス

① 大豆は洗って、大きな鍋に入れてたっぷりの水に浸して一晩おきます。

② ①を火にかけ、煮立ったらあくを取りながら中火で1時間半〜2時間ほど柔らかくなるまで煮ます。

茹で汁が少なくなったら何度か水を足し、大豆が茹で汁から顔を出さないように気をつけます。

③ 塩と麹をよく混ぜ合わせます。

麹はぽろぽろになるまでほぐします。

ほぐした麹に塩を加えてよく混ぜ合わせます。

④ 煮上がった大豆をザルにあげ、熱いうちに潰します。この時大豆の茹で汁を1カップほど取り置きます。

大豆の茹で上がりの状態をチェック。親指と小指にはさんで潰せるくらいの硬さが目安です。

大豆が熱いうちに保存袋に入れ、ゴムベラなどを当てて押し潰します。

すりこ木の方が潰しやすい人はボールに入れて潰します。大豆の量が多い場合は、この潰す作業が一番大変です。

⑤ 潰した大豆を③に加えて混ぜ合わせます。

大豆を麹、塩に加えているところ。

まんべんなくよく混ぜます。

⑥ 生地はしっかり混ぜて硬さを確認します。

生地の硬さの目安は「耳たぶ」くらい。少し硬い場合は、④で取り置いた茹で汁を少量加えます。

注意:写真ではわかりやすいように、茹で汁を流すように入れていますが、加えるのはほんの少しで良いのです。(写真は10人分です)

生地を丸めて指を差し込んでみます。ひびが入らず、すーっと通る硬さならOKです。

⑦ 保存容器を消毒し、⑥の生地を丸めます。

保存容器を焼酎で拭いて消毒します。

ソフトボールくらいの大きさに丸めます。

⑧ 丸めた生地を容器に入れ、空気を抜いて詰めます。

容器の側面に投げつけるように生地を入れ、隙間なくしっかり詰めます。

空気を抜くように手でしっかり押さえながら、表面を平らにします。

⑨ ラップで表面を覆い、重石を乗せます。

ラップで表面を覆います。隙間がないようきっちりと覆うのがポイントです。

ラップの上に重石をかけます。私たちは塩を重石として利用しています。容器の大きさに合わせ塩以外で重石になるものを工夫しましょう。例えば水を入れたペットボトルでも代用できます。

⑩ キッチンペーパーや新聞紙などを被せ冷暗所で保存します。

容器に蓋がついている場合は、キッチンペーパーの上から蓋をします。

<ジッパー付き保存袋で1年保存する場合>

*今年から保存袋も使って味噌を作ってみました。プロセス⑦までは同じ要領で進めてください。
*プロセス⑧で丸めた生地を保存袋に入れ、手のひらで平らになるように押さえ、空気を抜いて口をしっかり閉じます。

*これを冷暗所で保存し、夏まで待ちます。

 

第2回(天地返し)は、7月頃にお伝えします。梅雨明けに行う天地返しの方法と、その時の味噌の状態を紹介します。

このときカビが生えていたら、その手当もお伝えします。

 

レシピ協力:しらいしやすこ 撮影協力:原田真理 文:栗田さつき

栗田 さつき
編集一筋、だいたい30年(微妙なお年頃なので)。楽しい情報をいっぱいお届けします。