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3〜6歳にプレゼントしたい「えがじょうずになる本」がオススメの理由

2019年5月10日
編集後記
柏倉友弥

 

2018年11月、池田書店より発売された「3~6歳 カモさんのえがじょうずになる本」が好評につき、台湾版としても出版されることが決定しました。

 

2018/11/13「3~6歳 カモさんのえがじょうずになる本」(池田書店)Ⓒカモさん

 

本書は、人気イラストレーター・カモさんのかわいらしいイラストで、楽しい絵の世界を舞台にしています。また、こども美術教室の監修で、子どもが楽しく上手にかける方法を紹介しています。おえかきの基本となる「せん」や「かたち」の描き方からスタートして、食べ物や動物、乗り物など、日常にあるモチーフをテーマに線をなぞったり、点をつなげたり、描き順をまねして描いたりして読み進めていきます。

打ち合わせ時に描いていただいたカモさんのラフスケッチ Ⓒカモさん

 

制作の際には編集担当の私と、監修の先生、イラストレーターを交えて多くの打ち合わせを重ねました。実際に指導している現場の声を聞き、子どもが描きたいと思うものを取りいれ、つまずいてしまう描き方を解消できる工夫をし、子どもたちに親しまれる本を目指しました。

 

本書中面「てんきのせかい あめあがりのひ」Ⓒカモさん

 

本書を制作する中で、子どもにとってのおえかきは、幼少期の内なる自分を表現、発散する絶好のあそびなのだと知りました。クレヨンや鉛筆を握って紙に置けば点が描ける、動かすと線になり、つなげれば形になる。そういった達成感が子どもたちの最高の刺激にもなっているのです。

 

本書中面「むしのせかい かぶとむし」Ⓒカモさん

 

ここで大切なのが“楽しく描く”ということ。楽しく描ければ、日常生活にあふれる食べ物や動物、乗り物や人などをどんどん描きたくなります。そうして自分の目に映るものに興味を示し、表現にも工夫が加えられ、新しい考え方まで生まれてきます。食べ物や動物、乗り物などを観察する力もつき、その力は人生でも役立つことではないでしょうか。

 

 

 

世界に一つ、思い出の絵本に

 

“本に直接描ける”ことが本書の魅力の一つとしてあり、描き終わったら、この一冊がまるごと思い出になります。登場人物の双子の男の子と女の子と一緒に描き進めていくと、双子が見る夢の中でさまざまな世界を巡りながら、物語が展開していきます。まだ文字を読めない子のおえかきのときには、親御さんが優しく文章を読み聞かせてあげてください。

 

友人の息子が寝る前に本書を読んでいる様子

 

子どもが興味を示せば、どのページから描きはじめても問題はありません。それを描いた日にちや年齢を保護者の方が記入すれば、大切なその子の成長日記にもなります。そして、すべてを描き終えれば、その子が作った、世界にたった一つの絵本になるのです。

 

 

私にはまだ子どもはいませんが、友人に子どもが生まれることが多くなり、そんな子どもたちにこの本をプレゼントしたいという思いで制作しました。この本が子どもたちの成長の一つの証になればこれほどうれしいことはありません。

 

そして本書が、日本だけでなく世界中の子どものおえかきスタートのきっかけになり、成長の支えになれればと願っています。

 

“だれかにプレゼントしたくなる”

そんな本をこれからも制作していきます。

柏倉友弥
スタジオポルト編集部所属。日々の暮らしを大切に、人々が豊かになるように、すべての制作に気持ちを込めて。