はじめまして。4月から入社しました、すーと申します。
市ヶ谷駅から歩いて10分ほどにある「市谷の杜 本と活字館」。
先日、デザイン部の皆さんと行ってきました。
市谷の杜というだけあり、駅前の賑わいとは打って変わって
閑静で緑豊かな街並みの中に大正レトロな建物が佇んでいます。
歩道橋の上から眺めるのもまた格別です。
いざ中へ入ると、かつての印刷工場の面影を残した空間が広がっていました。
なんでも印刷工場の風景を一部再現しているようです。
時代特有の懐かしさに、時を遡ったかのような錯覚に陥ります。
1階では、本づくりの工程を順を追って見学できるようになっていました。
その中でも私が魅了されたのは、
原稿に合わせて一文字ずつ活字を拾う「文選」。
行間を調節する「インテル」や
文字間を調整する「クワタ」といった道具を使っての植字作業です。
当時の職人たちがいかに緻密で丁寧な仕事をしていたのかが実感できます。
電子で体験できるコーナーもあり、
実際に体を動かしてみるとその大変さを実感できました。
階段を登ると、企画展「FANTASTIC! プロセスインキ」が開催中。
入り口には、特大カラーチャートがずらりと並んでいます。
ルーペで網点を覗いたり、印刷の仕組みを学んだりと、
理科の授業のようなわくわく感が広がっていました。
4色だけでこれほど豊かな色の表現ができることに改めて驚きます。
活版印刷を体験できるコーナーでは、栞を作成しました。
まずは、丸い版にローラーを上下に2回動かしインクを付けます。
3回目でハンドルを下ろしきると、紙にインクが圧着し刷り上がります。
ハンドルは意外と硬く、綺麗に仕上げるには、力のかけ具合がキーポイント。
図工の授業で版画を思い出しました。
使った活版印刷機は、手動式の卓上活版印刷機「テキン」。
手動の「テ」とインキングの「キン」を合わせて
「テキン」と呼ばれるようになった説もあるとか。
語源を調べることで、歴史や文化的な背景も知ることができ
楽しいですよね。
あっという間でしたが、先人達の素晴らしさに想いを馳せ
本づくりは真心だと知ることができました。
本や印刷に携わる方はもちろん、
本好きな方々にもたまらないミュージアムとなっております!