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印刷工場の面影を残したミュージアム!  「市谷の杜 本と活字館」 に行ってきました!

2025年6月14日
コラム
すー

はじめまして。4月から入社しました、すーと申します。

市ヶ谷駅から歩いて10分ほどにある「市谷の杜 本と活字館」。

先日、デザイン部の皆さんと行ってきました。

市谷の杜というだけあり、駅前の賑わいとは打って変わって

閑静で緑豊かな街並みの中に大正レトロな建物が佇んでいます。

歩道橋の上から眺めるのもまた格別です。

いざ中へ入ると、かつての印刷工場の面影を残した空間が広がっていました。

なんでも印刷工場の風景を一部再現しているようです。

時代特有の懐かしさに、時を遡ったかのような錯覚に陥ります。

 

1階では、本づくりの工程を順を追って見学できるようになっていました。

その中でも私が魅了されたのは、

原稿に合わせて一文字ずつ活字を拾う「文選」。

行間を調節する「インテル」や

文字間を調整する「クワタ」といった道具を使っての植字作業です。

当時の職人たちがいかに緻密で丁寧な仕事をしていたのかが実感できます。

電子で体験できるコーナーもあり、

実際に体を動かしてみるとその大変さを実感できました。

職人ひとりひとりに与えられていた「植字台」と呼ばれる作業台。

 

インテル(右上)とクワタ(左下)

 

鋳造機。
人々に文字を届けるためたくさん働いてきたんだなと思うと感慨深いです。

 

階段を登ると、企画展「FANTASTIC! プロセスインキ」が開催中。

入り口には、特大カラーチャートがずらりと並んでいます。

ルーペで網点を覗いたり、印刷の仕組みを学んだりと、

理科の授業のようなわくわく感が広がっていました。

色だけでこれほど豊かな色の表現ができることに改めて驚きます。

企画展のパネル。戦隊モノになっていて可愛いです。

 

網点(モアレ)やインクの素材なども展示されています。

 

様々な工場各地を回ってきているであろう、
紙箱を机の足に使用しているのも
印刷所ならではの遊びとこだわりを感じます。

 

 

活版印刷を体験できるコーナーでは、栞を作成しました。

まずは、丸い版にローラーを上下に2回動かしインクを付けます。

3回目でハンドルを下ろしきると、紙にインクが圧着し刷り上がります。

ハンドルは意外と硬く、綺麗に仕上げるには、力のかけ具合がキーポイント。

図工の授業で版画を思い出しました。

使った活版印刷機は、手動式の卓上活版印刷機「テキン」。

手動の「テ」とインキングの「キン」を合わせて

「テキン」と呼ばれるようになった説もあるとか。

語源を調べることで、歴史や文化的な背景も知ることができ

楽しいですよね。

あっという間でしたが、先人達の素晴らしさに想いを馳せ

本づくりは真心だと知ることができました。

本や印刷に携わる方はもちろん、

本好きな方々にもたまらないミュージアムとなっております!

すー
デザイン部所属。空が好きです。特に夏。