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編集者がデジタル写真をフィルムルックに再現してみた!

2020年8月14日
編集後記
柏倉友弥

フィルムで撮った写真にはどこか懐かしさがあって、温かくて、趣があって。ザラザラとした粒子感に魅了される人も多いのではないでしょうか。

 

しかし、フィルムカメラで写真を撮り続けるということはそれ相応にコストがかかってしまうのが現実です。

 

時代の流れもあり、現在では圧倒的にデジタルカメラのユーザー数が多くなっています。デジタルカメラならいくらでもシャッターが切れる。たくさん撮ることができる。

 

ならば、そのたくさん撮った写真を“フィルム調”に再現してしまおう。

 

そんな思いからAdobe社のLightroomという写真加工ソフトを使って、デジタル写真をフィルムルックに仕上げることができる技法書を企画・制作しました。

 

タイトルはずばり!

「デジタルでフィルムを再現したい」(玄光社)

本書は著者としてフォトグラファーの嵐田大志さんにご協力いただきました。

タイトルはInstagramで約75万件(2020/08/07現在)もの投稿があるハッシュタグで、このハッシュタグの生みの親でもあるのが嵐田さんでした。

 

フィルムの色は人それぞれ

 

嵐田さんと本書を制作して印象深かったことは、デジタルでフィルムを再現する色には正解がないということ。つまりは無限大に表現でき、写真加工を行うすべての人がそれぞれに思うフィルムの色合いがフィルム再現になります。

 

「彩度が高いものが好き」とか「青色がはっきりしているものが好き」といった好みがあればその好みに寄せて調整するもよし。自分色の写真ができあがるというわけです。

 

担当編集が“デジタルでフィルムを再現してみた”

 

というわけで私自身も本書内にあるプリセットを参考にLightroomでフィルムルックに再現しちゃいました。

 

ある日の海を撮った写真です。

編集前のデジタル写真

編集後のデジタル写真

 

プリセットを反映した上で、レンズ付きフィルムで撮影したようなフィルム感をイメージしてパラメーターを調整しました。シンプルな構図ですが、こう見ると青色が全く違う色合いになりますね。水平線のグラデーションがとてもきれいに仕上がったので満足のいく編集ができたように思えます。

 

私がLightroomを操作したのはこの作品が生まれて初めて。自画自賛になってしまうのですが、初心者の私でも自分好みのフィルム感に仕上げることができました。

 

そのほかにも本書内にある嵐田さんの作品例を参考にしながら、雲の写真や被写体がある写真など、さまざまなものを編集して楽しみました。

 

写真はやがて、思い出になる

 

外出自粛期間中に発売されたこともあり、みなさんもおうち時間で過去の写真を振り返りながら本書を参考にフィルム再現の写真編集を行ってくださったのかなと考えていました。

 

過去に撮った写真を眺めているとノスタルジックな気持ちになりますね。

そんな写真をフィルム調に再現することでより思い出が深まるように感じました。

 

「写真はやがて、思い出になる」

 

撮りためたさまざまな写真は、昔日の記憶の情景と重なって、確かな思い出になっているように思えます。

 

みなさんもぜひおうち時間の充実に写真編集をはじめてみてください。

 

おまけに

 

レンズ付きフィルムで撮影した写真

 

同じ日に同じ場所、同じ条件でレンズ付きフィルムを使って撮影した写真です。

やはりフィルム写真はとてもいいものですね。

フィルムで撮る楽しさも忘れられない。

 

本書は著者の嵐田さんと担当編集のフィルムへの愛も詰め込んだ一冊になっています。

 

 

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著者:嵐田大志

東京を拠点に、家族写真やスナップなどを中心に撮影。Instagramにてハッシュタグ「# デジタルでフィルムを再現したい」を発案、デジタル写真をフィルム風に編集することをライフワークのひとつとしている。Adobe Stock Premium がモバイル編集アプリVSCO と共同展開する「VSCO Collection」の公式クリエイター。

Twitter:@Taishi_Arashida

Instagram:@taishi_arashida

柏倉友弥
スタジオポルト編集部所属。日々の暮らしを大切に、人々が豊かになるように、すべての制作に気持ちを込めて。