編集、デザイン、写真、メディア運営……クリエイティブの視点からコンテンツを提供する スタジオダンク


重版出来3刷御礼! メルヘンでファンタジーなイラストの技法書! 『メルヘンファンタジーな女の子のキャラデザ&作画テクニック』

2019年11月8日
編集後記
石井貴大

こんにちは、企画制作部の石井です。

今回は私が企画編集を担当しました、
佐倉おりこさんのイラスト技法書
『メルヘンファンタジーな女の子のキャラデザ&作画テクニック』

を編集後記という形でご紹介します。

※本当は2冊目もあるので一緒に紹介したかったのですが、
気づいたら文章が多くなってしまったので今回は1冊目だけにしました。

『メルヘンファンタジーな女の子のキャラデザ&作画テクニック』

表紙からメルヘン&ファンタジー&かわいい雰囲気が溢れ出ておりますが、
まさにこのようなイラストを描くためのテクニックやアイデアが詰まった
イラストレーター向けの技法書です。

 

本書紹介:最初から最後まで“かわいい”が詰まっている技法書!

本書はイラスト技法書ですが、「絵の描き方」を解説する本ではありません。
「キャラクターデザイン」のテクニックやアイデアを中心に解説した一冊です。
とくに、著者の佐倉さんの持つ「メルヘンファンタジー」な世界観をテーマに、
とにかく女の子キャラをよりかわいくするための手法を詰めこみました。

本書は大きく、以下3つの要素で構成されます。
・1章  :基本的な考え方を解説する「基礎知識」
・2〜5章:デザインアイデアを解説する「キャラクターデザイン術」
・6章  :1枚イラストの制作工程を解説する「イラストメイキング」

たとえば1章では——

そもそも「メルヘンファンタジーってなんだ」という定義からはじまり、

服装の特徴を紹介したり、


小物の特徴を紹介したり、

「メルヘンファンタジーにはどういう特徴があるのか」
という視点から、キャラクターデザインの考え方を解説しています。

2〜5章では、「童話」「スイーツ」「花」「空」という
4つのテーマからモチーフを選びキャラをデザインする形で、
キャラクターデザインのアイデアの出し方を解説していきます。

いったい何を考えてそんなにかわいい女の子キャラクターを
デザインしているんだ!?
そんな問いに、佐倉さんが丁寧に答えてくれています。

そして最後の6章では、「イラストメイキング」を解説。

 

表紙のイラストの制作工程の他、背景付きの1枚絵の制作工程も紹介。
佐倉さんが実際にどういう手順を踏んで
イラストを描いているのかがわかります。
あの美麗なイラストはいったいどうやって生まれてくるのか……?
その秘密が、ここに!

以上のような構成で、かわいい女の子のキャラクターデザイン方法を解説しているのが本書になります。

編集後記:この本を作るときに考えていたこと

たしか佐倉さんを最初にお見かけしたのは、何年か前のコミケだったと思います。
(よくコミケ通ってたりします)
多くのイラストがある中で、ひときわオリジナリティのある絵柄に、目を引かれました。

そのときは特に声をかけるわけでもありませんでしたが、記憶には残っていて、
コミケからしばらくたった後、どうしても佐倉さんのイラストで一冊を作りたいと思い、
書籍にご興味はありませんかと声をかけさせていただいたのです。

ありがたいことに快諾を頂き、
出版社も絵柄を気に入ってくれて、
企画はすぐに始まりました。

当初決まっていたのは佐倉さんのイラスト技法書である、
というくらいざっくりしたものでしたが、
佐倉さんの絵柄を最大限活かすという目的は私の中ではっきりしていました。

この絵柄を言葉で言い表したら何になるだろうか?
そう考えたときに自然と出てきたのが「メルヘンファンタジー」という言葉。
あまりにしっくりきたので、テーマはすぐに決まりました。

次に本書の方向性。
今回は技法書ですが、「絵の描き方」ではなく
「キャラクターデザイン」に特化することにしました。
佐倉さんの魅力はなんといってもオリジナリティのある世界観。
それを最大限に生かせると考えたから、というのが理由の1つ。

もう1つの理由は、きっと読者が求めているだろうと思ったからです。

というのもボクは昔、イラストレーターを目指していた時期がありました。
だから身を以て知っていたことがあります。

「女の子を描くだけならできる。
 だけどどうにも可愛いデザインにならない、
 オリジナルが作り出せない!」

という悩み。

たぶん多くの人も感じていると思いますが、
イラストを描く人たちの技術は、昨今目を見張るほど向上しています。(全体として)
イラスト制作ソフトやペンタブレット、液晶タブレットの普及、
pixivなどの絵を描く場がととのったことなどが背景にあるのでしょう。

しかし、絵が上手く描けることと、オリジナリティのあるキャラクターデザインをする技術は
全くの別物です。すごく難しいじゃないですか。デザイン。

ボクも昔はイラストレーターを目指した端くれ。同じ悩みにぶつかっておりました。

だから、そんな悩みをきっと多くの人が抱えているだろうし、
それを少しでも解決出来たら嬉しいな……。
そんな思いから「キャラクターデザイン」に特化しようと考えたのです。

 

そうして「メルヘンファンタジー」「キャラクターデザイン」
という2つのテーマが組み合わさってこの本が出来上がっていきました。

目的のはっきりした本は、出来上がりもすばらしいものです。
佐倉さんの美麗なイラストを主軸に、
デザインの雰囲気作りや内容の方向性、
それぞれが全てマッチして、
これ以上ない本の作りになりました。

ありがたいことに売れ行きも好調で重版にもなり、現在3刷目だそうです。
とってもすごいことです!

キャラクターデザインに困っている方も、
かわいい女の子が好きな方も、
ぜひ一度手に取ってみてほしい一冊です。

内容の充実度はもちろんのこと、
かわいい&かわいいで満たされたキラキラ光る宝石箱のようなイラスト群にも
きっと圧倒されることでしょう!

そんなお話でした。

石井貴大
スタジオダンク企画制作部所属。アニメ、ゲーム、マンガが好きで、同人誌即売会に参加することもしばしば。好きが高じて自分でイラストを描いたり、ゲーム制作会社にいたりした。現在は主にイラスト関連書籍や児童書籍などを担当。