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色塗り技法書の決定版「キャラクターの色の塗り方 新装版」

2021年6月9日
編集後記
石井貴大

こんにちは、企画制作部の石井です!

 

私は元イラストレーター志望だったこともあって、twitterやpixivなどのSNSで、毎日キャラクターイラストを見ています。

そうするとすごく感じるのですが、イラストの描き手は日を追うごとに増えていて、数年前に比べると、全体の技術レベルもどんどん上がっているようです。

私が目指していた頃(もう10年近く前になりますが)とは、比べ物にならないくらいに……。

 

それだけ、キャラクターイラストが魅力的で、多くの人に受け入れられているのだと思います。

Vtuberやソーシャルゲームといったところで、需要もどんどん増えていますしね〜。

 

技術レベルが上がった背景には、デジタルツールの普及はもちろん、先達たちが各々の技法を残し、多くの人が手軽にその情報を手に入れることができるようになった、というのがあるでしょう。

ネットで検索すれば、重要な情報を簡単に知ることができます。

 

もちろん、本も多数出版されています。

現在のイラスト需要の高まりに比例するように、イラストの描き方を指南する技法書の数も多くなってきました。

 

ただ数も質も充実してはいるのですが、その分どれを選んでいいのかちょっとわかりにくくなっているかと思います。

そんなわけで私がぜひともおすすめしたい1冊を今回はご紹介いたします!

「キャラクターの色の塗り方 新装版」(玄光社)

著・イラスト/kyachi

色の塗り方を1から体系的に学べる!

本書は女子美術大学で学び、現在は専門学校の講師なども務めるイラストレーターkyachi先生が、しっかりした知識を土台に、キャラクターの色の塗り方を丁寧に教える本です。

新装版とある通り、本書は2014年に発売された「キャラクターの色の塗り方」を改訂したものになります。

2014年版の表紙

元々の「キャラクターの色の塗り方」も大変好評で、当時の色の塗り方の基本を網羅的に学ぶことができる1冊でしたが、刊行から約7年が経ち、技術的な面で少し古くなっておりました。

そこで元の本の大事なエッセンスをそのままに、時代に合わせて改訂したのが本書になります。

本書の内容は、大きく前後半に分かれています。

前半、CHAPTER1〜3が「基礎」ページ。(約60P) 後半、CHAPTER4が「メイキング」ページ。(約100P)

色塗りの基本を学べる「基礎」ページ

前半の「基礎」ページでは、色を塗る上で知っておきたい基本的な知識を学ぶことができます。

「色の構造」や「トーン」、「色の心理作用」などなど、美大で学んだ著者の知識が丁寧に解説されています。

解説ページの1見開き。彩度や明度などの基礎から丁寧に解説。

基本的な知識は時間経過によって変化する点も少ないため、元の本と内容は大きく変わりません。

ただ、イラストは今風に合わせてより高いクオリティのものに刷新されています。

上の画像が2014年版。下の画像が新装版。全てのイラストが新規に書き下ろされ、クオリティが上がっている。

具体的な手法を学べる「メイキング」ページ

後半の「メイキング」ページでは、「アニメ塗り」「テクスチャ塗り」「厚塗り」「レイヤーマスク塗り」の4つの塗り方について、具体的な手法を学ぶことができます。

実際の制作を追いながら学ぶことができるため、プロが一体どのような工程を踏んでいるかがわかります。

また、テーマ一つに対して20ページも使って解説が行われているため、細かい部分まで知ることができます。

工程が細かに区切られて解説されているので、初心者でもわかりやすい。

さらにこのページは、技術の進化に伴って全てのイラストが新規書き下ろし!

このため前の本とは内容が異なり、最新の技術を学ぶことができます。

上の画像が2014年版。下の画像が新装版。イラストが変わるということは、メイキングも全て変わる。

おわりに

たくさんのイラスト技法書が出版されている中、「色の塗り方」に絞って基本からしっかり学ぶことのできるこの本は、ぜひともおすすめしたい1冊です。

 

世情的な問題もあって、家にいることも多くなってきましたので、

家でできる趣味として、本書を片手にイラストを描き始めてみてはいかがでしょうか?

 

それでは〜。

石井貴大
スタジオダンク企画制作部所属。アニメ、ゲーム、マンガが好きで、同人誌即売会に参加することもしばしば。好きが高じて自分でイラストを描いたり、ゲーム制作会社にいたりした。現在は主にイラスト関連書籍や児童書籍などを担当。